日捲りログ・ボルパ


お前は俺の天使だ
ボルスの台詞より。

「…お前は俺の天使だ…!」
「…………」
(ぼぐっ)
「痛っ!パ、パーシヴァル!?いきなり何を…!」
「……とうとう頭がイカれたのかと思ってな」
「お、俺の頭はおかしくなどなっていないぞ!」
「……あぁ、そうだった。お前の頭は最初からおかしかったな」
「…俺の頭がおかしかったら、殴りつけるのか…?」
「殴って直るものかと思ったのが間違いだったな」
「俺の頭は正常だ!…お前は…俺の天使なんだっ!パーシヴァルっ!!」
「……ボルス卿?私などのような蛮族出身のものを天使などと斯様に例えて頂くのは勿体無く存じます。そのような戯言は……」
(どかっ!!)←部屋から蹴りだしながら
「…他所でやって頂きたい」
「パーシヴァル!?なんでそんなに怒っているんだ!?」
「………(いらいら)お前が可笑しなことを言うからだろう」
「可笑しなことじゃないだろう!?お前は俺の天使だ!」
「どうしたらそんな発言が出来るんだ!?お前の頭は!!」
「天使とは天から人々を導き護る者だろう。俺のことを導いてその背を護ってくれる存在はお前しか浮かばなかったんだ!」
「………お前はやはり馬鹿だな」
「なっ!?パーシヴァル!」
「俺はゼクセンの騎士だ。導きを受け、護るべきはクリス様であり、ゼクセンの民。お前の専属天使などやっていられるか」
「…そ、そうだが…。…お前が、俺一人の天使でなくても良い…。俺にとって、お前が天使であればそれで良い」
「……(溜息)一応、お前もゼクセンの民だな。ならば、お前も護るべき者の一人か…」
「パーシヴァル!俺にとってもお前はクリス様共々に護るべき者だ!だから、俺を天使と思ってもいいぞ!」
「……………誰が…お前のようなひよこ頭の朴念仁を…天使だなどと思うものかっ!!!」
「…………っ!!……すまん……!!」
(首筋に白刃を突きつけられ正座で畏まるボルスににっこりと微笑みつつ)
「……わかれば、結構。……いつまでそこに居るおつもりで?ボルス卿?」
「………!!…すまん!パーシヴァル…!!」
(叫びながら走り去るボルス)




花祭り
戦闘で重症を負ったボルス。医務室にて。

「………」
「…起きたか」
「…クリス様は…ご無事、か」
「ご無事だ。…しゃべるな」
「……パーシヴァル…」
「あぁ、何だ」
「……花、が…咲いている」
「桜のことか?」
「…俺は…何日…。……っ!」
「三日だ。大人しくしていろ」
「…春…祭りに…間に合うだろう、か」
「このまま大人しくしていれば、恐らくな」
「…そ、うか…。…良かった」
「ただ花を愛でるだけの、地味な祭りだ」
「…お前、の…故郷の祭りを見てみたい。…約束した」
「あぁ、覚えている。…もう眠れ」
「……パーシヴァ、ル」
「良いから、眠れ」

(…温かい…。パーシヴァルの手、だ)
(……痛みが、遠のいた…?…水の、紋章…か…)

「…早く、良くなれ」

(…あぁ、そうだな。傷が癒えたら、共に花を見よう。きっと、綺麗だ…)




酒場でナッシュとクィーンと飲んでいるパーシヴァル。

P→パーシヴァル
B→ボルス
N→ナッシュ
Q→クィーン

Q「じゃあ、今度の休みには付き合ってちょうだいよ?」
P「えぇ、良いですよ。喜んでお付き合いします」
N「そんな約束して良いのか?『二人きりで』なんて、そりゃあ据え膳を喰ってくれってもんじゃないか」
P「そんな失礼な真似はしませんよ」
N「そんな暢気な調子じゃ喰われるぞ、クィーンに」
Q「…どういう意味だい」
N「言葉の通り」
P「心配要りませんよ。彼女は礼儀を知った女性ですよ?」
Q「そうよねぇ」
P「ちゃんと誘いをかけて下さいますから、突然襲って来られることはないですよ」
Q「……どういう意味だい…」
N「……言葉の通りだろ」
Q「言葉の通りねぇ。…事前に断れば、襲ってもOKってこと?」
P「双方の同意があれば、良いのでは?」
Q「よ〜し!その言葉、確かに聞いたわよ」
N「…クィーン」
Q「何」
N「同意を得るのは、難しそうだぞ」
B「…パーシヴァルっ!」
P「あぁ、ボルス。お前も一緒にどうだ?」
B「一緒にって、どういう意味だ!?」
P「このワインは好きじゃなかったか?」
N(そっちか…)
Q(なんだ、そっちかい)
B「へぇ、ハルモニア産か。このご時世でよく手に入ったな」
P「ナッシュ殿の差し入れさ」
B「……どうせ、怪しげなところから仕入れたんだろう?」
N「失敬な」
Q「でも事実じゃない。…ちょっと、あたしとパーシヴァルのデートの話が有耶無耶になってるじゃないの」
N「だから、デートの許可自体が…」
B「お、俺の断りも無くデートなんて、許さんぞっ!」
N「…おりないと思うぞ」
Q「一日借りるくらい、どうってことないじゃない。パーシヴァルだって、乗り換えようとまでは、思ってないんだし?」
P「…乗り換える?」
Q「あたしはいつ乗り換えてくれても構わないんだよ?あんたのことは気に入ってるし」
B「な、何だと!?」
N「あ〜、ほらほら、酒飲みの冗談なんだからさ〜」
P「ボルスも一緒に付き合えば良い。それなら、文句はないんだろう?」
Q「ふぅん…。二人がアイテをしてくれる訳?あたしは、構わないけど?」
B「……っ!そ、そんな破廉恥な真似が出来るものかっ!」
P「破廉恥なんかじゃないぞ」
B「パーシヴァル!?」
P「女性をエスコートするのに、男性は何人居たって良い」
Q「へぇ…流石、本物の伊達男は言うことが違うわねぇ。何処ぞの誰かと違って」
N「………」
P「それに、楽しいぞ。お前も付き合ってみればわかる」
B「そんなものを、わかりたくはない!パーシヴァル!俺は絶対にお前を手放す気はないからな!」
Q「……言ってくれるわねぇ」
N「…はた迷惑な馬鹿っぷるだからなぁ」
P「…俺を、手放さないだと?絶対に?」
B「そうだ!」
P「…そう、か」
Q「…何?」
N「…何か、嫌な予感…」
P「…わかった。…クィーン殿、申し訳ありませんが休日のお約束はなかったことにして頂けますか?…お約束を反故にするお詫びに、トランワインを一本ご馳走しますよ」
Q「…ま、良いわよ、それで」
P「ありがとうございます。では、私はお先に失礼しますね。ボルスが、ずっと傍に居てくれるそうですから」
(ほわん、と綺麗な笑み)
Q「………」
N「………」
B「………(見惚れている)」
P「…ボルス」
B「…あぁ、行こうか」

Q「…何アレ」
N「…何って…酔ってたんだろ、あれは」
Q「何に」
N「……何に…だろうなぁ。あの金髪坊ちゃんは、確実にパーシヴァルに酔ってたが」
Q「…なぁんか、可愛いところもあるのねぇ、あの子。面白いものを見たわ。また今度も誘って飲もうかしら」
N「……その時は、俺のことを呼んでくれるなよ。他人の惚気はごめんだ」
Q「…それには、同感。ま、案外、嫌いじゃないんだけどねぇ?」




拍手企画より・ワイン


「一杯付き合わないか?秘蔵の奴だぞ!」
「…下心がお有りでないなら、頂きますが?」
「な!そ、そんなもの、ある訳ないだろう!?」
「…そうですか?ワイン収集に命をかけているボルス卿が、秘蔵のワインを出してくるなんて、何かなければおかしいでしょう」
「今日は、記念日なんだ!それだけだ!」
「…記念…?何かあったか?」
「…良いんだよ、わからなくて。とにかく、そういうことだ!下心はないからな!」
「はいはい、信じるよ。折角の極上ワインを逃す手はないしな」
「…最初からそうしてくれれば良いんだ」
「日頃の行いが悪いからだろう?」
「どういう意味だ!」
「…同じような誘い文句で酒場に誘って、酔った私を部屋に連れ帰った後、何をしましたっけ…?」
「〜〜〜〜!!?お、お前なぁ!そ、そういうことを平気で口にするな!」
「で、何をしたか覚えていない訳で?」
「……覚えてるよ!…あ、あれは、合意だったじゃないか!」
「…酔ってる相手に対して合意も何も、あったものじゃないでしょう?」
「さ、先に誘ったのはお前の方…!!」
「さて、どうだったか…。ボルス卿にしこたま飲まされましたからねぇ」
「何でも俺の所為にするな!自分からがばがば飲んでたくせに!」
「…せっせと杯を注ぎ足したのは、お前だろう?」
「〜〜〜〜!!もう良い!お前にはやらん」
「…おっと、そちらから誘っておいて、今さら反故にするのか?」
「俺とは飲みたくないんだろう!?」
「本当にそうなら、誘われた時点で断っているさ。俺が理由もなく、お前の誘いを断ったことがあるか?」
「………ない、な」
「ご理解頂けたのなら、くだらない問答は止めにして飲みませんか?…上手く酔わせられたら、また私の『合意』を得られるかもしれませんよ…?」
「……!そ、そうだな!折角の記念に用意したワインだし、飲まなきゃ勿体無いよな!ほら、パーシヴァル、ついでやる」
「……どうも」(にっこり)