その他版権小ネタ

*ライ鳴好きですが、一応CP要素は無し


「お、良い匂いだな〜ライドウ」
「お帰りなさい」
「ただいま。旨そうだな」
「…味見しますか」
「するする」
「…どうぞ」
「…ん〜!旨い!晴海の洋食屋が出してるものより良い線いくぞ」
「褒められたと思って良いんですか」
「褒めたように聞こえなかったか?」
「その洋食屋の味を知りませんから」
「ん〜そうか。じゃあ、今度連れて行ってやるか!俺って太っ腹!」
「そんなお金があるなら、自分のツケの支払いにまわして下さい」
「……ライドウまでそういうことを…」
「何の為に自炊していると思うんですか」
「ライドウの一人くらい、外食させてやる甲斐性はあるんだぞ〜!」
「そんな甲斐性はどうでも良いです」
「………ライドウ……」(ほんのり目尻に涙)
「俺の料理を、今、褒めてくれたんじゃなかったんですか」
「…褒めたよ」
「じゃあ、それで我慢して下さい。俺も、他所の味はどうでも良いです。あなたが美味しいと言うなら、それで良いです」
「……そう」
「はい。これ、煮込むためにもう少し時間がかかります。珈琲を入れますから、どうぞ」
「あ〜、うん。…ありがとう」

「…何か、俺って、すごく甲斐性なしなの?」
(ゴウトに向けてぽつり)
「ニャア」
『むしろ、己に甲斐性があるものだと思っていることが驚きだな』
(ゴウトのつっこみに頷くライドウ)
「ん?何?!ライドウ、何笑ってるんだ??」
「いいえ、何でも」


*七夕・ライドウ
*一応ライ鳴ということで。


「笹を貰いました」
「あぁ、七夕ね。願い事は書いたの?」
「はい」
「へ〜、どれどれ…。…何これ?」
「短冊です」
「いや、わかってるよ。…じゃなくて!読めないよ、これ!」
「…これは、魔界の文字です」
「何処の文字だって?」
「アクマの使う文字ですから、鳴海さんには読めませんよ」
「仲魔にも短冊配ったのか」
「はい」
「…何て書いてあるの?…これとかさ」
「………………知らない方が良いこともあります」
「え!?そんなにすごいことが書いてあるの!?」
「はい」
「…(即答なんだ…)」
「…え〜と、それで、お前の短冊は?」
「これです」
「…どれ…って、これも読めないよ!これもアクマ文字なのか!?」
「これは葛葉に伝わる暗号です」
「どうしてわざわざそんなもので書くんだよ!」
「(鳴海さんに知られたら)意味がないので」
「…意味がわからん」
「鳴海さんも何か書きますか」
「……良し、書こうじゃないの」

「……よ〜し、じゃ、これね」
「…案外、ささやかな願いですね」
「読めるのか!?それ、一応、軍機密の暗号文で…」
「読めますよ。これくらい読めなければ帝都の守護者は勤まりません」
「〜〜〜〜あ〜!くそっ!…じゃあ、そのささやかなお願いは叶えて貰えるんだよな!?お前、見たんだから!」
「良いですよ。『ハヤシライスをお腹いっぱい食べる』ですね」
「『美味しいハヤシライス』だぞ!」
「わかってますよ。たくさん作りますから安心して下さい、鳴海さん」


*タイヤキ・木場榎
*CP要素は特に無し。


「鯛焼き!」
「あぁ!?」
 奇声を上げた瞬間にはもう駆け出している。『たいやき』と書かれた露店があった。あれのことだったらしい。
「おいっ!真四角!鯛焼きだ!」
 露店から大声で叫びながら跳ね回っている。知らぬ振りを決め込みたいが、無理だ。あの男、無駄に容姿だけは良い。黙っていてもいなくても、注目されてしまう。
「木場修、財布を出せ。買うのだ」
 渋々露店の軒に入ると、礼二郎は焼かれるタイヤキとは違う、あさってを見たままで言う。
「俺が買うのかよ!」
「忘れたからな。……これだ!これは僕の鯛焼きだ!」
 会話が噛み合わないのは常だ。タイヤキ店の店主が、無表情に礼二郎の指差すタイヤキを袋に包んだ。露店をやる位だ、そこそこ奇人慣れはしているだろう。
「木場修のはこれだ。尻尾が焦げている」
「俺はこんな甘ったるいもんはいらねぇぞ」
「じゃあ、猿の土産だ」
「おい!人様の金で幾つも買おうとするんじゃねぇ!!」
「チズさんはこれでアッちゃんはこっちだ。熱い内に包んでくれ」
「……人の話を聞く気は全くねぇんだな」
 礼二郎は意気揚々と紙袋を受け取った。勘定の間に、自分の分のタイヤキの半分を食べ終っていた。
「アタリだ!ぎっちりだ!」
 礼二郎は左手に一つだけ別で包んだタイヤキを持っていた。
「それも紙袋に入れちまえよ」
「駄目だ。これは、外れの鯛焼きだ。焦げている」

 外れとやらを与えられた関口は、『餡子の無い』タイヤキを食べさせられたらしい。


*石榴・京榎京
*心意気は常に。でも百合です。


 いつものようにふらりと榎木津がきた。座敷から縁側へ上半身をはみ出して寝転ぶ。
 長い腕に巻きつかれた愛猫の石榴が鋭い一撃を見舞ったが、あっさりかわされた上、己の指定席を奪われ憤慨していた。
 石榴は中禅寺の膝に代わりを求めた。深い溜め息を一つ。それは了承の証だ。石榴は最も気に入りの場所を手に入れた。
「ズルイぞ!」
 起き上がり小法師のように榎木津が起き上がった。中禅寺の顔が狂相を帯びる。
「それは御免被るよ」
「石榴に権利があるなら僕にもある」
「その権利の行使を許可しないと言っているんです」
 榎木津は綺麗な顔を歪めて不服を訴った。当然無視された。
 くふん、と子犬のような声を上げて榎木津は再び寝転がった。寝息は程なくして聞こえた。
「石榴」
 中善寺に促されて賢い愛猫は渋々膝を降りた。
 嫌がらせのつもりだろうか、石榴は榎木津の腹の上に寝そべった。
 うにゅぅ、と猫が潰れたような寝言が聞こえた。



*北方版三国志
*張飛受け
*色々なことに目を瞑って読んで頂ければ幸い


「…敵の首50でどうだ」
「50で良いのですね!?承知しました!必ずやご期待に沿ってみせますので、その暁には、お約束を忘れないで下さい」
「あぁ、約束しよう」

「……俺なら、倍の100は獲ってみせますよ、大兄貴。それに、趙雲だって」
「知っているさ」
「知っていて行かせる兄者が、お悪いのです。約束などと言って、宜しかったのですか」
「関羽、お前なら、もう予想はついているだろう?」
「だから申し上げております。趙雲だから良いものの…。他の者にそのような真似をなされば、徳の劉備の名が落ちますよ」
「はは、手厳しいな」
「大兄貴も小兄貴も、何を言っているんだ?大兄貴の徳が下がったりなんか、するものか」
「そう言ってくれるのは張飛、お前だけだ」
「そんなこと、皆そう思っています。なぁ、小兄貴!」
「可愛い義弟にこうまで言わせて、心は痛みませぬか?」
「そうだな、多少」
「…………(溜息)」

「只今戻りました。敵の首、80余。この趙雲が全て獲って参りました。ご検分を!」
「検分は必要ない。見ればおおよその数は分かる。50、超えていることくらいはな」
「では!お約束を、張飛殿を一晩、お貸し頂けるのですね!?」
「いいや、約束は果されていない。だから、報酬を与える事も出来ぬよ」
「それは、どういう事で御座いますか、劉備様。俺は何か、大きな勘違いを…?」
「そうだ。私は敵の首、50と言った」
「はい。ですから、敵の首、50を…」
「この数、50では無いと、先程お前自身が語っただろう。約束は50。少なくても、超えても、それは約束を果した事にはならない。だから、この約束は白紙だ」
「超えてもいけないとは、何故です!?敵の首、多くていけない事があるのですか!」
「ある。なぁ、関羽」
「敵の首、50と80。その数にそれ程の大差は無い。だがこれが、5千と8千ならばどうか?趙雲殿よ」
「…それは…」
「大が小を兼ねる事もあれど、戦において戦勝に逸っては、全ての兵を危険に晒しかねない。……そういう事で宜しいですか、殿」
「あぁ。理解できたか?趙雲よ」
「………はい……」
「俺には理解できません!」
「……張飛殿……」
「確かに、戦勝に逸って主の命を取り違えるのは、仕える武将として失格だ。けど、これとその話は別じゃないですか。趙雲が若くて経験が少ないといっても、そんな薄い器じゃない事くらい、大兄貴も小兄貴も知っているでしょう!?」
「……怒らせてしまったようだ」
「それはそうでしょう。そこまで分かっておられたのではないのですか」
「いや、考えていなかった」
「では、私は手助け致しませんよ」
「張飛に関しては手厳しいな、関羽は」
「大切な義弟ですので」
「……ありがとうございます、張飛殿。……俺はまだ未熟でした。ですが、諦めた訳ではありません。必ずやこの報酬、頂いてみせます!」
「そう簡単には、やれんぞ?」
「元より、簡単な事とは考えておりませんので」

「……大兄貴、俺を一晩貸し出すって、どう言う事です?首50なんてあんな約束をさせなくても、俺なら一晩くらい、幾らでも付き合います」
「10年早いだろう」「100年早い事だからな」
「大兄貴も小兄貴も、何を言っているんだか、俺には分かりませんよ」
「まだ分からなくていい、まだな」

「……旅にでも出した方が良いだろうな」
「厄介払いにしか思われませんよ」
「それも仕方あるまい」


*北方版三国志
*トンソウ
*軍師ズのキャラが何か違うというのは本人が一番分かってるっ!!


「…どうかしたのか、夏侯惇。こんな夜更けに」
「殿の安眠を妨げて、申し訳ありません」
「いや、まだ眠っていなかったから、それはいい。私に用…と言う訳でもなさそうだな」
「は…。殿の…部屋に用、と言いましょうか」
「……部屋に?」
「……道に、迷いまして……」
「夏侯惇よ。許都に来て、かなり経っていると思ったが」
「考え事をしながら歩きますと、気付いたら見覚えの無い通路に居る事がありまして」
「……それで?何故私の部屋なんだ」
「殿の部屋からなら、何処へでも行けます故」
「私の部屋は目印か」
「はい。殿の部屋なら、何処からでも迷わず辿り着けます」
「……よく分からん方向音痴だな、夏侯惇」
「申し訳ありません…」
「別に怒ってはいない。それで、ここから何処へ行くつもりだったんだ?」
「私室に戻り、休ませて頂く予定でおりました」
「何だ。なら、部屋に入れ」
「……は?」
「わざわざここまで来たのだ。私の部屋で寝て行け」
「いえ、滅相も御座いません。殿の眠りの邪魔をする訳には参りませんので」
「私の寝台は、両隣に女子を2人ずつ寝かせても余る。お前は、女子4人分か?」
「いえ、せいぜい2人分程かと思います」
「なら、問題ない」
「そういう問題の話では……」
「嫌なのか。私の誘いを断わるか」
「いえ……!そのような、ことは……!」
「よし。……許猪、夏侯惇は私の部屋に居る。何かあればそう言え。何も無いとは思うがな」
「は!承知致しました!」
「と、殿!それは困りま……!!」

曹操に引きずられて、静かに閉まる扉。
そしてフェードアウト!(笑

「夏侯惇殿が、殿の寝室におられるとか…」
「また夏侯惇殿か」
「夏侯惇殿は殿の従兄弟であろう。それ程に問題があるとも思えぬが」
「郭嘉殿はご存じないのでしたな」
「ここでは、殿の私室、特に寝室に入った回数で、殿からのご寵愛を量っておるのです」
「目をかけて頂いているとは思うが…流石に夏侯惇殿には敵わぬな」
「郭嘉殿は、今後期待が出来ますぞ」
「……然様か……」←心底どうでも良さそう