氏神になるということ



*氏神についての薄暗い考察。でも氏神がこうだとは全く思っていません(笑
*特定の氏神の子を意識して書いてはいません。



 白刃が目に眩しい。掌をつく。ぬるりとした感触は、もう幾度目か。生前も、その後も。
 首筋に触れた。切り裂いた筈の傷は、もうどこにもない。

 傷跡さえ、残させてはくれないのだ。

 退屈だ、と思い始めたのはいつだろうか。
 神々が下界へ干渉したがる気持ちが理解できた。
 
 人は、面白い。
 短い生の中で、驚くべきことをやってのける。
 人は、美しい。
 限りある生でありながら、魂は常に輝いている。
 人が、羨ましい。

 呪いだと皆が言う。己もそうだと思っていた。
 たった2年ほどの命。かくも短い生が呪いであると。

 本当にそうだったのだろうか。
 短かった。
 それでも、幸せだった。
 
 家族と共に精一杯生き抜いた生は、どれほど短くとも幸せだったのだ。


 『死ねぬことの方が、呪わしい』

 もう、涙も出ない。



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薄暗っ!!(笑
氏神って神様になっちゃうわけだから、不死になっちゃうんですよね?
他の神様は人であった頃はない、というか、大昔はそうでも忘れてる感じだし。
黄川人も退屈だと言っていたし、昼子のことも、退屈だから逃げている、と言ってた。
人の頃の記憶があるものが神になると、不死という状態に慣れていなくて辛いのかなーと。
あきさんのオリンポスって作品からのパクリみたいな解釈というか、話なんですけども^^;
オリンポスの神様考察は自分と考え方が似てて面白いんですよね^^

さて、口直しで。少しは明るくなる続き。




 柔らかい。少し力を入れたら壊れてしまいそうだ。
 温かく、優しい甘い匂いがする。
 知っていた。遠い日に、幾度も腕に抱いたことがある。
 我が子を、兄弟を。

 親になることも、初めてではない。かつては、親だった。
 我が子の、家族の。

 『生まれてくれて、ありがとう』

 もう、退屈さなど感じない。
 血は続く。どこかで途切れたとしても、どこかで繋がり続けて血は生きる。

 俺の屍を越えながら。

 赤子の頬に一滴の涙が零れ落ちた。


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やっぱ子供はいいよね!
家族は大事だよ。
俺屍の原点はこれだ、と思ってます^^