*紫水→氷牙でライバルは父と当主。そんな氏神4人の天界でのバタバタ。 *自分が楽しいだけの代物(笑 *紫水→氷牙の腐設定ご注意。 *髪結いを読んでもらった後の方が分りやすいです。 作中一族 氷牙ひょうが・得意髪結い 紫水しすい・氷牙の異母弟で氷牙に兄以上な想い有 紫焔しえん・氷牙紫水兄弟の父氏神 頼貴よりたか・得意小細工。氷牙紫水が幼い頃の当主 「結構癖があるね。僕に似たのかな?」 「そうなんだよー。だから結うのは意外と難しいぜ〜大丈夫かよ?」 「……あぁ、髪質が柔らかいんだな。触り心地が良さそうだ。私も触ってみていいかな」 「あ〜?物好きだなぁ。頼貴もかよ」 「紫焔はいいのに、私はダメなのかい?」 「ダメとは言ってねぇよ。触ればいいけど、髪結いの邪魔はすんなよー」 「わかった^^」 「なななななな……紫焔、あんた何してるんだっ!!?」 「やぁ、もう一人の息子^^」 「氷牙の髪を紫焔が結っているんだよ。見てわからないかい?」 「それは分りますよ!そんな体勢で説得力ないですから!」 「紫水〜〜!なんでそんな怒ってんだよ?」 「氷牙は黙ってて。……氷牙から早く離れろよ、紫焔」 「あはは、綺麗な顔に睨まれると、迫力あるなぁ」 「自慢かい?同じ顔じゃないか」 「いいから、早く、膝からおろせ〜〜〜〜!!!」 「……膝には無理だよ、さすがに。氷牙のこと、幾つだと思ってるの」 「正確には膝の間に座らせてるだけだよ、紫水。髪結いするにはちょうど良い姿勢じゃないか」 「……頼貴は紫焔の味方なんですね」 「違うよ。面白い方の味方だから^^」 「よし、結えたよ。結構上手にできたと思うんだけど、どう?」 「……お〜、初めてでこんだけ結えたらすげぇよ!」 「おまけで……はい、完璧な仕上がり」 「今度は私にも結わせてくれよ」 「俺が結いたいのに」 「幾らでも結わせてやるさ。時間はたくさんあるんだから」 「また、頼貴の髪が結えると思わなかったぜ!」 「……そうだね……私もだ」 「あ」 「おっと…」 「だわっ!?」 「もう十分だろう。…返してもらう」 「うわわ!?おい、紫水、下ろせって!!」 「氷牙はちょっと黙ってて!」 「……はい……」 「……取られちゃったな」 「意外ともったほうだよ。髪結いが終わるまで、待っていたんだから」 「それはそうだろうね。髪結いに限っては、邪魔をしないだろ」 「知っていたか」 「『視て』いたんだから、わかるよ」 「……会えて、嬉しいか?」 「……嬉しいよ。だから、嫌気がさす」 「………なら、俺は絶望するしかないだろう」 「頼貴だって、会えて嬉しいだろう?」 「嬉しいな。だから俺も、嫌気がさしてる」 「………俺の我儘で、あの子達を引き留めただろうか」 「俺に慰めてもらおうなんて気味が悪いが……紫焔は、誰かに言われてここにいるのか」 「いや、自分で決めた」 「同じだよ。みんな、そうだ」 「……そうか。ありがとう」 「………紫焔が羨ましいよ」 「! そうだろう?俺の子、双子の娘なんだ。一子相伝の家系で、2人の子を授かれた。氏神になって、さらに2人、今度は息子を授かった。幸せ者だろう?」 「だからな、あの二人もたぶん、幸せだよ」 「な〜そろそろ下ろせよ〜」 「……………」 「……ふ〜〜。誰かに見られてねぇかなぁ…」 「氷牙、ちょっとじっとしててくれるかな」 「え?……あ!!なんで解いちまうんだよ!?」 「……これ、女物の髪紐」 「うわ?なんだこれ。着物の帯みてぇ。ひらひらだな」 「こんなの飾られた頭のまま歩いてる方が、恥ずかしいだろ」 「……そうだけど……。……せっかく結ってもらったのになぁ」 「悪戯されたの、わかってる?」 「んー……。けど、紫水が解くの、わかっててやったんだろ?」 「……そんなこと……」 「なぁ、紫水が結い直してくれよ」 「え?」 「紫水が解いたんだろ。責任とれよな」 「……俺は、巧くないよ?」 「別にいーぜ!ひらひらの髪紐よりは絶対マシだからさ」
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