七夕でたなぼた?



*紫水→氷牙で頂いた『七夕劇』の続きネタで。小ネタなんですが^^;

*腐要素含みますのでご注意を。元のお話より要素は強いかも(笑
*内容はいたって健全ですが。




 ふと手を止めた。氷牙の胸元が規則正しく上下している。
 閉じた瞼は、化粧を落とすためにそうしていたはずが、どうやら眠りへ誘うものへと変わってしまったようだ。
 慣れない舞台での踊りに演技、やはり相当疲れていたらしい。

「……お疲れ様、氷牙」

 額に零れる髪を指でそっとかき分ける。
 やはり、化粧などないほうがいい。氷牙は、そのままが一番いい。

 一瞬か数瞬か。寝顔を眺めていられた時間は少なかった。空間が歪む気配。そして、頭上から降る、聞き慣れた暢気な声音。

「あれ、氷牙、寝ちゃったんだね。やっぱり疲れたんだろうなぁ」
「……紫焔達がさせたんだろ。俺一人でやるって言ったじゃないか」
「……うん、ごめんね。僕も断りきれなかったんだよ。題材も、七夕がいいって決まっちゃったし」
「だからって、氷牙じゃなくても良かっただろ。新人は、俺だけじゃないか」
「それは、氷牙がやるって言ったからだよ?」
「氷牙は!俺のことを気にして、それを、あんた達が…!」
「しー…。…氷牙が起きるよ?」
「…………っ!」
「……紫水を気にしてっていうのは、合ってるよ。でも、君が思う理由とは、違う」
「……え?」

「……あ!」

 紫焔がひょいと氷牙を抱き上げた。横抱きにされても、氷牙は目を覚まさない。紫焔の気配に対して、警戒が全く働かないからだ。

「紫水も着替えが必要だろ?氷牙は僕が寝所に連れて行くから」
「そんなの、俺が連れて帰る!」

 思わず声を荒げた。一瞬の沈黙の後、紫焔がにまりと笑った。

「……じゃあ、お願いするよ」
「〜〜〜〜〜〜〜!!」

 やられた!こうなることがわかっていて、からかわれたのだ。

 腕に氷牙の重みが加わった。氷牙は紫水より少しだけ背が低く、槍を扱う身にしては細身で、女性程とは言わないが、紫水には軽く感じる重みだ。

「……あ、大丈夫だとは思うけど、寝所で据え膳喰ったりしないでくれよ?」
「な…!何言ってんだ、あんたは〜〜!!」

 声をあげて笑った父は、さっさと『飛んで』消えた。

 あんな騒ぎの中でも、氷牙はすやすや眠っている。
 ため息一つ。宴会となっている別室では、またネタにされることだろう。

 でも。

(……宴に出なくていいようにしてくれた……?)

 紫水も、素人の氷牙を補助しながらの舞台は、やはりそれなりに疲れるものだった。そんな状態での酒席は遠慮したかったし、氷牙を付きあわせたくもなかったから。



(…………氷牙が起きたら、聞こう……)



『どうして、彦星役なんて引き受けたんだ?』

『あ〜?だってさ、俺がやらなかったら……』



 続きを聞いて、真っ赤になって。



『ありがとう…!!』


 そんな会話がなされるのは、一夜だけの逢瀬を許された二人とは違う、ずっと共に明け続ける朝のこと。







続き妄想〜。
膝枕羨ましかったので、邪魔してやりました!(笑
そしてからかってやりましたとも!
結局ご褒美にしかなってないけど……。
ちなみに、一夜のアヤマチとかスエゼンとか、ないです。
ないよ!(笑
紫水は氷牙の気持ちを一番気にするから、氷牙がいいと言っても、同情とか気遣いとかだと思って、結局手を出さずにむしろ悩むタイプだと思う。
…ので、そんな事態にならないよう、紫焔とか頼貴が、こっそりいろいろ気を回してたりしそう(笑
素敵なお話を頂けたおかげで、いろいろ自分設定補完と萌え補充できちゃいました!
ありがとうございました^^*
あ〜やっぱこの二人+父のやりとり書くの、楽しい〜(笑
素敵妄想をさせて貰えて本当楽しかったですv
ありがとうございました〜!